6th Attack Pinch Runner

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「大体よぅ。」 女がS15の車内で一人呟く。 「セリカってヤツぁ、昔っからシルビアにとって、目の前のたん瘤ってヤツだったんだよなぁ。 マジウゼェ!!」 そう吐き捨てるように言うと、先行するZZT231のテールを睨み付けた。 ちなみに、『目の前のたん瘤』は正しくは『目の上のたん瘤』と言い、非常に邪魔くさい物を指す言葉である。 「今日こそは白黒付けてやんよ!!」 そう言い放つと、アクセルを踏み込んでZZT231との間合いを詰め始めた。 一方の芹華。 「あぁ、また下品にガッついちゃって。 ホント、イヤよね。 でもね。 こっちだってただ無闇にダイエットした訳じゃない所、見せてあげる!!」 これは、ボディは若干シェイプアップしたものの、駆動方式からエンジンまで先代のS14から受け継いだS15に対して、車体を磨きあげただけではなく、ターボと四駆を潔く捨て去り、敢えて排気量を落とし新世代のライトウェイトスポーツとして生まれ変わった愛車、ZZT231に対する芹華の愛情と誇りが顕著に出た言葉である。 「それにね…。」 芹華はステアリングを握り直すとこう続けた。 「名門ロータスの折紙付きの心臓はダテじゃないよ!!」 そう言いながら、芹華は6速ミッションを一段下げ、S15を突き放しにかかった。
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