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ストレートを走っていた民那の目に左高速コーナーの入り口が映った。すると、リズムを取っていた指の動きがふと収まり、ステアリングをギュと握り直した。
「さて、少し遊んでみようかな。」
民那は呟くとシフトダウンさせ、2速に入れた。その瞬間、VTECが高速カムに切り替わり、エキゾーストノートが甲高いものに変わった。更に左コーナーに少しオーバー気味のスピードで進入すると、左足でブレーキペダルをチョンと踏み、軽快にテールをスライドさせクリアした。
「ふふーん、上手く行った。」
民那はそう呟くと満足そうに微笑んだ。
ただし、この走りがこれから始まる物語のプレリュードになる事は民那は知るよしもなかった。
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