プロローグ

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始めにこれだけは言っておく。俺はごく普通の高校二年生だ。 顔だって普通だし、身長も平均的、…要するに田中太郎的な人間である自信がある。 そりゃあ俺だって空を自由に飛びたいだとか、過去に戻りたいだとかということを一度も考えずにここまで来た訳じゃない。 だが、愛らしい某ネズミキャラクターの中には人が入っていることや、サンタの深夜不法侵入は内部の人間による犯行なのだという事に子ども達が次第に気付いていくように、つまりはそれらの感情はごく自然に忘れ去られていったものなのである。 …何故俺が長々とこんなことを語っているのかと言うと… そんな素晴らしきファンタジーの世界を改めて認めざるを得ないような出来事が起きてしまったからだ、と言ったら信じてもらえるだろうか?    
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