プロローグ

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ちなみに“ニケ”とは俺の事らしい。こいつとは幼なじみだが、いまだに何故俺がニケなのかわからない。俺の名前にはそんなヘンテコなワードは含まれていないぞ。   …ていうかお前、部活はどうしたんだよ。 「部活?今日は無くなった!」そうかそうか。よかったな。 「あれ?どしたのその花?」 その視線は俺の両手にしっかり抱えられている色とりどりの花々に注がれている。正直恥ずかしい。 「これは…なんでもない」 顔が熱くなっていくのがわかる。そりゃそうだ、マザコン少年のまね事をしてみましたなんて言えないだろ? それよりお前、部活がなかったならこんな時間まで何してたんだ?自由を告げるチャイムがあの牢獄に鳴り響いてから随分時間は経っているぞ。    
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