夜を駆けて

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ミツル「ラルトス、ねんりき!」    カッ      ミツル「よぉし、すごいぞラルトス!ついにロゼリアまで倒しちゃうなんて!!」    ボンッ    僕はねんりきを食らい倒れたロゼリアにボールを投げた。    シダケ周辺では一番レベルの高いポケモンだ。      ミツル「ははっ、やった!ロゼリアを捕まえだぞ!!これでこのあたりのポケモンは全部捕まえたかな?」       僕がトウカシティから引っ越して来てもう5ヶ月。肺の病気はまるで無かったみたいに落ち着いて今では走り回ってもへっちゃらだ。    ラルトスはすっかり成長して強くなった。     僕は身体も回復して毎日近くのトレーナーや野生のポケモン達とバトルに明け暮れている。      友達も出来たし、間違いなく今が人生で一番充実していると思う。      ミツル「じゃあ、帰ろうか、ラルトス。」         バタン        ミチル「あ、おかえりー、ミツルくん。ご飯できてるよ、早く早く。」      この人はミチル姉ちゃん。僕のいとこにあたる人だけど歳は5つ上だ。        ミツル「うん!今いくよー。さ、ラルトスごはんだよ。」        ミチル母「そういえばカナシダトンネル……開通はいつになるのかしらね?」     ミチル「……………しばらく工事はできないのよね。洞窟の中のゴニョニョは臆病だから……大掛かりな作業はできないみたい。」     ミツル「そういえばカナズミにいる彼氏さんも工事に関わっているんでしょ?開通すればいつでも会えるのにね。」      ミチル「……そうね。彼、真面目だから。毎日たった一人でトンネルを掘ってるの。もう少しなんだけど…」       ミチル父「最後の大きな一枚岩がなぁ…人間の力ではどうにも……もう反対側の声が聞けるくらいまでにはなってるんだが……あの岩は機械じゃなきゃとても削れないよ……」      ミチル「…仕方ないわよ。ポケモンの為だもの。人間の都合だけでゴニョニョ達を怯えさせるわけにはいかないわ。」      そう言ったミチル姉ちゃんの顔はどこか悲しそうに見えた。   
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