38人が本棚に入れています
本棚に追加
トウカの森。トウカシティに越して来てから何年もたつけれど実際に入ったのははじめてだ。
背の高い木々が立ち並び森のなかはひんやりとしていた。
草タイプや虫タイプのポケモンが多く生息しているがさほどレベルは高くない。
ボクは急ぎ足で森を抜けることにした。
さぁ、なんとか誰にも見つからないように浜辺の小屋にいかないと。もうそろそろお父さんとお母さんにもボクの家出が知らされている頃だろうし。
海を渡ってしまえば多分大丈夫…………かなぁ?
一時間ほど歩くと奥から光が見えた。どうやら出口みたいだ。
トウカを離れてさほどたっていないはずなんだけれどどこか懐かしい潮の香りがボクを包み込んだ。
ミツル「浜辺の小屋……あぁ、あれかな?」
小さな船着き場のような所に一つぽつんと小屋が建っていた。
キィ
ミツル「ご…こめんくださ~い……」
「おぅほっほっ、そ~れそれ!ほ~らつかまえちゃうぞ~~!」
ピー!ピー!
うわぁ……
おじいさんが1人、狭い小屋の中で鳥ポケモンと戯れていた。
大丈夫かな……この人。あれ?間違えたかな……
「おっ?お客さんか。ひょっとしてキミがツツジから聞いた子かな?」
ミツル「え?はい。もうご存知なんですか?」
「おぅおぅ。さっき電信が入ってな。ツツジも小さい頃はよくトウカに遊びに来とった。」
ミツル「じゃあ…あなたがハギ………さん?」
ハギ「おぅその通りじゃ。よろしくな。そうだ名前を聞いてなかったな。」
ミツル「ミツルです。よろしくお願いします。」
ハギ「そぅかそぅか。よし、じゃあピーコちゃん、出番じゃぞ。」
ミツル「ピー……コちゃん?」
ハギさんは停めてあった船のエンジンをかけた。
ハギ「そうじゃ。キャモメのピーコちゃん。キャモメは海に現れる波や細かい大気の変化まで感じ取る。昔っから船乗りにとっちゃ大切なパートナーよ。」
ボクは船に乗り込んだ。
ハギ「さ、いくか!目指すはムロタウンじゃな!出発進行!」
最初のコメントを投稿しよう!