プロローグ

4/30
前へ
/156ページ
次へ
この高校を選んだ理由は、特に無い。強いて言えば、公立でそんなにお金が掛からず、一人暮らしがしたかったからというものだった。 高校なんか何処も対して変わらないだろうと思い、俺は殆ど悩みもせずに此処に決めた。 高校生は中学生より自由で楽しいイメージがあったが、実際にやる事は変わらず、まぁそれも仕方ないだろうと大してガッカリする事も無く、今日もこうしてほのぼのと過ごしている。 ただ、今の生活が少し物足りないと感じるのが、俺の素直な心境だった。 平日は学校に行き、つまらない授業を受け、友達とだべりながら帰る。休日は家でゴロゴロして、たまに外をふらつき、帰る。その繰り返し。 俺にはその毎日が普通であり、別に自分で今の生活をぶっ壊して新しい人生を歩もうとは思わなかったが、今の生活がずっと続くのもつまらないなとも感じていた。 何か、刺激が欲しい。 という願望が、心の奥底で鼓動していた高校一年の5月だった。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加