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「大丈夫か?いかにも眠くて死にそうって顔してるぞ」
やっとの事で最後の授業が終わり、HR終了と同時にグニャリと机に倒れこむ俺にそう言ったのは、クラスメートの片山だった。俺が1番最初に仲良くなったダチで、退廷はいつもコイツとつるんでいる。先に話し掛けてきたのはコイツだったが、割と話しの合う奴だったため今では学校ではほぼコイツといる事が多い。
まぁ、悪い奴じゃあないな。…多分。
「まぁお前の席じゃあ授業中に居眠りすんのは難しいだろうな。俺は1番後ろだからずっと漫画読んでたけど」
そう言って結構整った顔でニカッと笑う顔面に一発ぶち込みたくなったが、今の俺にはそんな体力も無く、替わりに
「嫌味か、それは」
と言ってせめてもの抵抗に睨みつけた。お前ばっかり楽な思いしやがって。少しはお前も勉強しろ。中間がヤバくなっても知らねえぞ。
「へぇ、じゃあお前はキチンと授業を聞いてたのか?えらいねぇ」
ますます嫌味にしか聞こえない、動物に例えるとキツネみたいな同級生の言葉を無視し、俺は机に掛けてあった鞄を取り上げ、「帰るぞ」とだけ言ってさっさと教室を出て行った。
言っておくと、亮太ってのは俺の名前だ。苗字は起来で、起来亮太。
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