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「出たよー、海。
海も入れば?」
ひとり悶々と考えていると、いずみがタオルを頭に乗せてスウェット姿出て来た。
うん、かわいい。
いい匂い。
触りた…
いや。
「…うん、じゃあ入って来る。」
ここでまたいずみの信用を失うわけにはいかないんだ。
俺はなるべくいずみを見ないように、横をすり抜けてお風呂へ向かった。
サッと済ませて部屋に戻ると、いずみはテレビをつけっぱなしでベッドに寄り掛かって寝てしまっていた。
「あー。髪まだ濡れてるし。」
まだ少し濡れている髪をタオルで軽く拭いてやると、いずみが目を覚ました。
「いずみ、髪濡れたまま寝たら風邪ひ「あー!!!」」
言い終わる前にいずみがガバッと勢いよく体勢を立て直していきなり叫んだので、俺はかなり驚いて肩を震わせた。
「な、んだよ、いずみ。
いきなり大きい声出すなよ。」
「もう12時過ぎてるじゃん!」
時計を見ると、0時10分を少し過ぎたところをさしていた。
「…うん、過ぎてるけど?」
俺は時計といずみを交互に見ながら眉間にしわを寄せた。
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