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「着いたー!」
「はい、お疲れさま」
ドアを勢い良く開けながら入ってきた春に冬佳が言った。
「やっと来たか、春」
「うん、来たよー。リハまだだよね?」
「予定ではあと10分で始まるからねー。春くんも支度しちゃってね」
冬佳がソファーに横たわりながら言った。
「冬佳ちゃんくつろぎすぎー」
えいっと春は冬佳が横たわるソファーの正面の椅子の座る。
「…取りあえずこんなもんでいっか」
暫くして、悠姫がヘアアイロンでのセットを終え、陸の近くの椅子に座った。
「んじゃあそろそろ行くよーみんな」
ソファーに横たわったまま冬佳が言った。
「りょーかい」
悠姫は立ち上がると、「えいっ」と机の上の鶴を手で潰した。
「ああっ! おれの子供がっ!」
「よし! 行こう!」
―バンッ
「春にも我が子がっ!」
「はいはい、行くよー陸君」
―バンッ
「冬佳ちゃんまで…」
我が子?を全て失った陸は、悠姫と春に両腕をひかれながらスタジオへ向かった。
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