羽がほしい

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羽がほしい

空が紅く滲んで 夕日が沈む頃には 多分この場にはいないだろう 私は羽根を広げて 空高く飛びたっている そしてこの場所には もう戻らない 次の地へ降り立つために 私の羽根はあるのだから 私がいなくなっても 誰も気が付かない この屋上から飛びたっても 私を見てくれる者はいないんだ だから私は空を飛ぶ 高く飛んで 堕ちていく…
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