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同じ障害を持つ子供たちと遊び、学んだ。
そうしていくうちに、文字を覚えた。
僕にとって、苦痛だったのは、発音の練習だった。
よく覚えていないけれど、かなり嫌がっていたらしい。
キュードという、手を使って発音はしたことがなかったし、手話もあまり使わなかった。
僕にとって、その時は、まだ“必要ない”ものだったからだ。
聴力が少し残っていたおかげで、普通の子供より、少し劣るけれど、発音できるようになっていった。
しかし、僕より聴力が悪い子は、上手く発音も出来ず、キュードや手話を使う方へ行ってしまった。
僕は、長い年月をかけて、口話術を覚えた。
口の形を読み取って、話を理解するものだ。
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