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「アナタ、名前ハ?」
「僕?僕の名前は…。」
彼女は一拍おいて言った。
「僕に名前はないよ。」
「アタシトオナジ。アタシモ名前ガナイ。」
「そうか。じゃぁ、お互い、名を付けようか。僕に名付けて?」
彼女は鏡の彼女に優しく微笑む。
鏡の彼女は、しばらく考えこんでいたが、やがて、微笑みながら言った。
「アナタノ名前ハ、ユウキ で。」
「ありがとう。僕も君の名前を考えた。君の名前はカナタだ。」
彼女たちは手を触れあった。
そして、愛おしむように抱き合った。
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