2人の彼女

3/3

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「アナタ、名前ハ?」 「僕?僕の名前は…。」 彼女は一拍おいて言った。 「僕に名前はないよ。」 「アタシトオナジ。アタシモ名前ガナイ。」 「そうか。じゃぁ、お互い、名を付けようか。僕に名付けて?」 彼女は鏡の彼女に優しく微笑む。 鏡の彼女は、しばらく考えこんでいたが、やがて、微笑みながら言った。 「アナタノ名前ハ、ユウキ で。」 「ありがとう。僕も君の名前を考えた。君の名前はカナタだ。」 彼女たちは手を触れあった。 そして、愛おしむように抱き合った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加