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「運命トイウモノニ、私達ハ、縛ラレテイル。」
「だがな。カナタ。運命なんて、いつの間にか変えられている。死ぬはずだった奴が、まだ生きているとかな。」
「全テガ、運命ドオリニ成ルワクデハナイヨ。偶然デモナイ。在ルノハ、必然ダケダヨ。」
「そうだよ。それ。必然で出来てるのさ。この世の中はな。」
「人間ッテ、不思議ダヨネ。」
「あぁ…。僕の過去の物語でもしようか。生まれてから、今に至るまでの話をな。」
「過去?アナタ、小学校ノ記憶ハ、ホトンド失ワレテルノニ?」
「今だけ、無理矢理呼び起こすのさ。カナタの中に眠っている記憶をな。」
「アタシノ中ニ眠ッテイル記憶?」
「さぁ。僕の胸の中でお眠りなさい。見せてあげよう。」
カナタの目が微睡んでゆき、ユウキに倒れ込む。
ユウキに抱かれて、眠りに落ちていった…。
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