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「だあーっ!」
丈の短い草に覆われた台地に響き渡る子供の声。
よく見ると、二人の少年が木刀で戦っている。
一人は左目の下に二つの切り傷がある黒い長髪の少年。
もう一人はやや長めの黒髪に、細い目をした丸顔の少年だ。
「くっ!」
切り傷のある少年の木刀が、細い目の少年の木刀を弾いた。
「……さすがに純滅の太刀さばきは鋭いな。全然勝てねえよ」
「お前だって腕をあげたじゃないか。なかなかのもんだぜ」
切り傷のある少年は、純滅(じゅんめつ)という名前のようだ。
この心地よい涼しい風の吹く台地の草原で、二人はいつもこうして剣術の訓練をしていた。
「呉刻劉(ごこくりゅう)。攻劉の奴はどうした? まだ来ないのか?」
細い目の少年、呉刻劉は草原に寝転がる。
「あぁ、朝あいつの家に寄ってみたけどいなかったな……」
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