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それから、いくつかあゆみの買い物に付き合って、夕食を食べた。
すっかり暗くなった道を歩く。
彼女の長い黒髪が、闇にとけこんで不思議な艶めきを放つ。
所々街に輝くイルミネーションが、その瞳に反射して俺を誘惑した。
「これから、どうする?」
俺は駅に向かっていた足を止めた。
あゆみは不思議そうに顔をあげる。
「……え?」
彼女の手を、優しく握った。
体温をなじませるように、何度か指を動かす。
あゆみは何も言わずにか弱く握り返してきた。
俺と目を合わせようとしないその横顔は、戸惑っているようにも見える。
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