天才デザイナー

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しかし彼女はまだ物足りなさを感じていた。 これが本当にやりたかった仕事なのか? 本当にずっとデザイナーとして活躍していきたいのか? そんな疑問が彼女の中をぐるぐると占領していった。 「本当言うとね…」 「うん?」 モデル時代の友達、今野彩花とみゆきはある喫茶店で話していた。 「あたしデザイナー辞めたいんだ…」 「え?」 また?と言いたいような表情で彩花は聞き返してくる。 「いやさあ、モデルもデザイナーも、どっちも好きだよ?けど…違うの。 あたしが本当にやりたいのは違う気がするの…。」 「みゆき… あたしみゆきがやりたいことなら応援してあげたい。けど… いったいみゆきはなにがやりたいの?」 自分がやりたいこと―… それは……… 「わかんない…」 え?と彩花は首を傾げる。 「わかんないの……」
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