雨が魅せるまぼろし

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「…ゥ …リュウ」 誰だ! オレを呼ぶのは 何だか 懐かしい… 「江流」 はっ オレは誰かの声で目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたようだ。しかし何かがいつもと違う… 「やっと目を覚ましましたね。江流。こんなとこ誰かに見られたら、あだ名だけではすまなくなりますよ」 「なっ!?」 オレは驚いて言葉を失った。 なんでお師匠様がここに? しかも! 子供になっている! どういうことなんだ!? 「どうしたのですか? まるで幽霊でもみたかのように驚いて」 そうだ 確かにお師匠様は死んだはず それにここは金山寺! 「江流?」 「い、いえ 別に」 オレは夢でも見ているのか… しかし目の前のお師匠様は本物? 「そうですか ならいいですが 何かあったら言って下さいね」 「はい お師匠様」 オレは戸惑いながらも 昔のままのお師匠様を前にして この状況に満足しかけていた。
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