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「そう言って頂けると私の気持ちも軽くなります」
オレはそう言って微笑む、お師匠様を見ていた。
ポツ ポツ…
(んっ 雨)
雨が降ってきた。
「江流、雨が降って来ましたね」
「はい お師匠様」
雨を眺めて、悲しそうにお師匠様が言った。
「そろそろ、お別れですね。 江流、いえ玄奨三蔵」
えっ
お師匠様の言葉に驚いて周りを見るとさっきまでの風景と変わっていた。オレも大人の姿に戻っている。そして…
「…ゾ …ゾゥ」
誰かが遠くから呼んでいる。
「お師匠様…?」
「呼んでいますよ。さぁ自分の居るべき場所へもどるのです江流。今のあなたは決して独りなんかではないのですからね。」
「ふっ バカ猿にエロ河童に口うるさい母親みたいなのですけど、今のオレにとって必要な存在です。」
オレは本人たちの前では絶対に言わない本音をお師匠様に言っていた。
「では、そろそろお別れです。ずいぶん強くなりまね。でももっと強くおなりなさい玄奨三蔵。
私はいつも見守っていますからね」
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