32人が本棚に入れています
本棚に追加
「お師匠様ありがとうございます」
オレは消え行くお師匠様を見送らずにそのまま背を向けて、声の聞こえる方へと歩いて行った。
「…ゾ …ゾゥ サンゾウ」
「なんだバカ猿か… そんなに呼ばなくても聞こえてる」
オレは心配そうに覗きこんでいる悟空に言葉をかけた。
「なんだよ、八戒がメシだっていうから呼びに来たのに、三蔵全然起きないし、なんかいつもと違うし、すっげ~心配したんだぞ」
「だからって呼びすぎだ! (つぶやきながら)…でも呼んでくれなかったら戻って来れなかったかもな」
「えっ なに?」
「なんでもねぇよ すまなかったな 心配かけて」
オレは悟空の頭にポンと手のひらをのせた。悟空は下を向いたまま「へへへ」と笑っていた。
「じゃ、先にメシ行ってるぜ」
「おい、悟空」
「なに?」
オレは部屋を出て行こうとしている悟空を呼びとめ、今まで聞きたかったことを聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!