雨が魅せるまぼろし

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「てか、やっぱ三蔵おかしいよ」 悟空は心配というより気持ち悪いと言わんばかりの顔していた。 「うるさい、そんなことよりメシじゃなかったのか、もう悟浄が殆ど食べてしまったかもな」 「あ~、メシなかったら三蔵のせいだからな~」 悟空は叫びながらバタバタと部屋を出て行った。 オレは部屋を出て食堂に行く、すると悟空と悟浄がいい争っていた。 「あ、三蔵遅かったですね。居眠りでもしていたのですか?」 八戒が話しかけて来た。 「あぁ、少しな。なんだこの騒ぎは」 「悟空の分を悟浄が食べたんですよ。いつもの喧嘩です」 「そうか」 オレはいつもは騒がしいと思うこの状況を、今日は愛おしいと思った。 「あれ、止めないんですか?」 八戒が顔を覗きこんで来た。 「何かいいことでもありました?」 八戒は感がいい。 「別に」 「そうですか、今日はあなたが穏やかに感じますけど」 「言ってろ」 八戒には見抜かれていた。 オレはヒートアップする2人に、 「(カチャ)うるさい、静かにしろ!」 いつもの風景へと戻っていく。 お師匠様、今の私はきっと幸せなんだと思います。 END
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