永い曇天、紅い濃霧

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(飛翔)  ヒュ―――…… パチュリー 「…しんどかったけど、確かな量の罠を施したわ。 逃げるなら今のうちよ。」 逃げる――? パチェは今、逃げると言った――? フランドール 「馬鹿ね…この私が尻尾を巻いて逃げるなんて…もうこれ以上、無様な醜態を晒す事は出来ないわ。」 パチュリー 「レミィの気持ちはわかるけど、ケホッ…なんの為に異変沙汰にならないよう動いたか、思い出して。」 ……そう、それは… 霊夢を敵に回すのだけは、どうしても避けたかったから。 でも―― フランドール 「私達は"容疑者"程度よ。 それもまだ未遂…疑いを晴らすには、今ここで勝って話を通す他は無い!」 ここで逃げれば、完全に霊夢に睨まれる… 霊夢を味方につけに来たのに、それじゃあ本末転倒よ。 …霊夢は、私をとにかく疑うように暗示をかけられたようだけど―― パチュリー 「この辺りで良いわ。 …戦うんでしょ? レミィがそう決めたのなら、私はもう何も言わないわ。」 フランドール 「…ええ…なんて事はない、すぐに済ますわ。」 そう、すぐに済ます。 でなきゃあいつが――
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