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少年にとって今できる行動は一つしかなかった。
「お、おい!」
彼は逃げ出した。
二つの首を持つ大きな犬を見た時も逃げはしなかった。
だが、言葉で違う世界だともとれる言葉を聞くと聞かないでは心境の変化はまったく違った。
薄々、そうかもしれないということはわかっていた。
もしかしたらと考えていた。
「なんだっつーんだよ!!なんでなんでなんで!!」
だが納得なんてできるはずもない。
このままエルフの話を聞き続ければさらに壊れてしまっていたかもしれない。
少年は叫びながら森の中へと入って行った。
「ツーデッドハウンドに襲われなければいいんだがな……」
というエルフの呟きも聞かずに。
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