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エルフの女性は変な服に変な髪型をした先程の人間について考えていた。
帰れとは言ってみたものの、あの人間には武器と呼べる武器を持っていないことに気づく。
「ええい!なぜ私が人間なんかを!!」
不思議な雰囲気を持つ少年。
たった数分といえど、関わってしまった。
何より耳を握られる、異性に触られることなど初めて。
そんな少年を放っておけるわけがない。
エルフは焚火に土をかけ火を消すと、少年の後を追うように森の中へと駆けて行った。
行く手を遮るかのような木々。
辺りは暗く、所々漏れる月明かりだけを便りに走る。
そして、追いかけること数分、鼻につく匂いを感じとる。
(近くに血の匂い……)
エルフはその方向へ足を早める。
そして、ついに少年を見つけた。
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