犬とエルフ

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少年の肩は恐ろしく熱くなり感覚がほとんどなくなっていた。 しかし、その僅かな感覚の中、この犬の噛み付く力が弱くなっているのを感じていた。 金色の瞳で少年を見るデッドハウンド。 少年は微笑を浮かべながらも決して目を反らすことはなかった。 「なあ、もう痛いから離してくれよ」 デッドハウンドに話しかける少年。 何を馬鹿な、魔物に言葉なんか通じるはずがない。 この世界に生きる人々なら必ず言うであろう言葉。 そんな言葉がエルフの脳裏を過ぎった。 が、しかし、そんな概念が目の前で音をたてて崩れ落ちる。 デッドハウンドにとっては人間やエルフなどただの餌ぐらいだと思っていた。 しかし、デッドハウンドはまるで言葉を理解したかのように、何の躊躇もなく噛み付いていた牙を少年から引く。 エルフはただただその光景に圧倒され続けた。
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