異世界アルアメイア

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「おい……なんだこれ……」 空に向かって立てられたツイストパーマをかけた黒髪に、綺麗にへの字に整った眉毛、左耳にはピアスが二つ。 まだ大人とは言えない顔つきの少年は呟いた。 その少年の目に映る光景は、質素な自分の部屋の中ではなく、草木が生い茂る森の中だった。 辺りは木々。 その少年の寝ていた部分だけが、ぽっかりと穴あくように木はなく、短い草だけが生えている。 「夢……の中……?」 少年は、そう言うと目の前を見た。 「な、わけないよな……」 少年は立ち上がるとリアルな風景、自分の頬を駆け抜ける風を感じると、諦めたように呟いた。 「寝て……起きたら、森の中…………プッ!ギャーハッハッハッ!!寝て起きたら森の中!!何これ!初めてなんだけど!!」 少年は、しばし腹を抱え笑い続け、その後、ちょっとだけ泣いた。
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