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「ん……」
少年は寝心地の悪さから、目を覚ました。
まだ覚めきってない瞳を擦る。
そして、覚醒しきった時、辺りを見回す。
「なんだよ、今度はどこだよ!」
だが、望んだ未来が訪れることはなかった。
見覚えのある自室ではなく、真っ白なベッドは茶色な草に変わり、ガラスのテーブルだったものは木造のテーブル。
──様々なものが違っていた。
ただ違わないものはただ一つ。
自分が自分であること。
だからこその混乱である。
「マジ勘弁してくれよ……」
悲痛な声だった。
森を歩けば知っている世界を見つけられると思っていた。
それが叶わないからこそ、また寝て起きたならば元に戻れると思っていた。
単純な考え。
だが、それしか方法を見出だせなかった。
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