エルフの里

2/11

2217人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
「ん……」 少年は寝心地の悪さから、目を覚ました。 まだ覚めきってない瞳を擦る。 そして、覚醒しきった時、辺りを見回す。 「なんだよ、今度はどこだよ!」 だが、望んだ未来が訪れることはなかった。 見覚えのある自室ではなく、真っ白なベッドは茶色な草に変わり、ガラスのテーブルだったものは木造のテーブル。 ──様々なものが違っていた。 ただ違わないものはただ一つ。 自分が自分であること。 だからこその混乱である。 「マジ勘弁してくれよ……」 悲痛な声だった。 森を歩けば知っている世界を見つけられると思っていた。 それが叶わないからこそ、また寝て起きたならば元に戻れると思っていた。 単純な考え。 だが、それしか方法を見出だせなかった。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2217人が本棚に入れています
本棚に追加