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少年が感傷に浸っている頃、あのエルフはとても困っていた。
「グルルルル!!」
目の前にはあのデッドハウンドがいきり立っている。
少年が倒れた時、仕方がないので連れて帰ったのはいいが、デッドハウンドまでついて来てしまったのだ。
「だから!お前は家に入れないと言っているだろうが!!」
エルフはデッドハウンドに怒鳴る。
そんな状況だが、一歩引いて考えると内心可笑しくて仕方がなかった。
命を懸けてまで戦うデッドハウンドに怒鳴る場面など、ましてや、話し掛けるなど想像もしてなかった。
逆にデッドハウンドも飛び掛かるわけでもなく、唸るだけ。
自分もデッドハウンドも少しだけ変えた少年は三日も目を覚まさないままだった。
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