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「──入れないと言っているだろうが!」
外からそんな怒鳴り声が少年の耳に入る。
「あの声は……やっぱり……」
落胆の色を隠せぬまま少年は立ち上がり声の方へと歩き出す。
隣の部屋も少年がいた部屋同様、すべてが木造でできている。
印象的なのは部屋の中心にある不器用に造られた机と二つ並べられた椅子。
窓と呼ばれる部分には、草で造られた開閉可能な仕切りがある。
そして、奥にはまたもや草で簾が掛かった出入り口があり、その下にエルフの足が見える。
恐る恐る簾をめくるとそこには、
「おっ起きたか」
少年のいう自称エルフとでっかい犬。
そして、家を囲むように生えた木々だった。
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