エルフの里

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「なんでお前は耳を引っ張るんだ!」 エルフは力の限り怒鳴った。 目を閉じ、恥ずかしながらも顔を寄せたにも関わらず耳を引っ張られたのだ普通は怒る。 「…………ごめんて!その耳よくできてるな!それよりもこの犬でかいよな!ギネスに載ってるの?」 「……ギネスとはなんだ?」 「これだけ大きいんだ!ギネスに載るだろ!」 何かを必死に隠すかのように勢いよくエルフにしゃべる少年。 焦りと悲しみが入り交じる。 「先程から何を言ってるんだ!」 エルフは畳み掛ける少年を一喝。 その大きな声に肩を揺らすと、少年の言葉は止み、動きが止まる。 「なあ……ここ、さ……茨城、だよね?」 そして、少年の瞳から涙が零れる。 少年はここは自分の知っている場所だと、知っている世界だとこじつけるかのように話した。 必死に自分の居場所にすぐに帰れると思いたかった。 そして、 「……違う」 それを否定されることは薄々わかっていた。
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