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不器用に模られた椅子に、エルフと少年は腰掛けている。
家に入ったものの、エルフは中々切り出せずにいた。
なんと言えばいいのか、世間知らずと最初は思っていた。
だが、それにしても違和感がありすぎた。
エルフは机を人差し指でリズムよく叩く。
部屋にはその音だけが聞こえてきていた。
「ダァーッ!無理無理ー!僕には無理ですー!」
気でも狂ったのだろうか、少年は両手の平をブラブラと振り始める。
「な、なんだ。いきなり……」
「僕には無理なんですよー!この空気ー!!…………頼むから言いたいことあんなら言ってくれ」
少年はここは違う場所ということを聞く腹が決まった。
そして、強引に話しを進めるのであった。
突然のことで面食らったが、後半、少年の真面目な顔を見るとエルフも身を乗り出して真面目な顔つきになった。
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