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「お、おおおおおお前が……チ、ン……ちちちちちチンなんて言うから!!」
「動揺しすぎ!!何、チンちちちちちチンって!」
そんな言い争う二人をデッドハウンドは首を傾げながら見ていた。
「だから、あれは躾で――」
「ラティーシャよ!!」
少年が弁解している時だった。
ラティーシャを呼ぶ声が家の方から聞こえ、少年の言葉を遮る。
「長老!」
今まで存在すら忘れていたラティーシャ。
はっとしたように顔を向ける。
そして、少年もそちらへと釣られるように後ろを振り返った。
(うわっ!何かいる!!……もしかしてあれ隠れてんの?プッ!なんか手招きしてるし!!やべっすげーうける!!)
少年は右腕で口元を隠し、必死に笑いを堪えていた。
デッドハウンドに怖れラティーシャの家の角から、真面目な顔で手招きをする長老が笑いのつぼにはいったのだろう。
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