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「人間!貴様に耳はないのかっ!」
「うわー、それ自分で言う?話難いから――ってなんで逃げんだよ」
少年はため息を吐きながら、足を進めるが、やはり長老も足を動かす。
「人間!目的を言え!」
(しつけ~……めんどくせー……)
少年は面倒臭くなり強引に近寄るために走り出す。
当然、長老も走る。
「なっなっ!!今すぐに止まれ!」
「…………」
「この杖が見えぬか!!貴様ごとき打ち倒すのなど造作もないことじゃぞ!」
「…………」
「待て!今すぐに止まれ!この杖の餌食になりたいか!」
なんだか話だけを聞く分には、どちらが追い掛けているのかわからなくなるような展開だった。
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