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「はぁはぁ……」
「ぜぇぜぇ……に、んげんよ……目的をおうぇ」
二人はさらに十数分、ラティーシャの家の回りを走った。
少年は肩で息をし、長老にいたっては吐きそうだった。
いつも愛用していた杖をまるでリレーのバトンかのように扱ってみせた結果だ。
「……長老……私が聞いて来ましょうか?」
見るに堪えない光景にラティーシャが口を挟んだ。
しかし、それがいけなかった。
長老は泣きそうになりながら叫ぶ。
「ラティーシャが判断しかねるからワシを呼んだのじゃろうが!」
こんなに怖い思いをするくらいなら来なければよかった、と思ってしまう長老であった。
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