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「オレがいた所は平和が当たり前だったからなぁ……」
少年は小さく呟く。
その呟きに二人のエルフは耳が動いた。
「平和、か……」
「…………」
平和について二人は思考を巡らせる。
戯れ事、そう長老が称したように常に戦いのために生活するエルフにとって漠然としたイメージしか沸かなかった。
「……はっきり言うわ。オレの住んでいた世界とここは別の世界だ」
「はっ。何を言っておる……」
少年は真剣に伝える。
長老は鼻で笑うが、ラティーシャは顎に手を置き、考える仕種をした。
「エルフなんていねーし、あんなでかい犬もいなかった……いや、いるかもしれないけど普通な森にでるわけがない」
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