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「では結論から述べようか……人間よ、今日明日中にこの村から出ていってくれ……」
長老は少年を見つめながらそう言い放つ。
「は?……マジ?」
急ぐとはいってもいくらなんでも急すぎた。
ただでさえ早い展開に少年はほうけることしかできない。
「……そういうことじゃ」
話すことはもうないと、長老は席を立つ。
その姿は冷酷な長老というよりは、今にも罪悪感で押し潰されそうという姿だった。
「ま、待ってくれよ!オレマジ何にもわからないんだって!服は!?飯は!?風呂は!?どーすればいーんだよ!マジで別の世界なんだって!」
「…………この際、別の世界だろうが関係ないのじゃよ……エルフの里に人間がいる、それが問題なのじゃ」
懇願する少年をその場に残したまま長老は姿を消した。
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