2217人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
「あぁ~本当になんだよここぉ~」
少年は、半ベソをかきながら歩き続けた。
右を見ても左を見ても木、まだマシなのは、日は高くそこまで薄暗くはないということだけだった。
「犬はでけぇし、首二つあるし、虐待されてるし……可哀相に……」
先程の犬を思い出すと、少し憂鬱になる。
が、歩く足を止めることはない。
歩くという以外この状況を打破する術も持たない少年は、歩き続けた。
しかし、この森は深く長い。
いつの間にか、高かった太陽は低くなり、景色は暗くなる。
そんな時少年は、一筋の光明を見た。
暗い景色に、ある一点だけの光。
「あれは……たき火か?」
少年は、その光明に向け駆け出した。
最初のコメントを投稿しよう!