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「おー!ちゃんと待ってたかー!」
少年はデッドハウンドを見るなり、その大きな首元に抱き着き、頭を豪快に撫でた。
「よしよし!」
「バウッ!」
何度となく見た光景ではあるが、ラティーシャにとってはそれを見る度に頬をつねりたくなる。
これは夢なんじゃないかと。
最初は固まって動かなかったデッドハウンドも、今では自分から頭を擦り寄せている。
その幸せそうな光景にラティーシャは足を踏み出したい、いつしかそう考えるようになっていた。
「……な、なあ!その……わ、私も……撫でていいか?」
そして、その日彼女は踏み出した。
「んー?」
少年はデッドハウンドから視線を移す。
が、すぐに視線を戻した。
「なんかラティーシャが頭撫でたいって。どーする?」
「バウッ!」
少年の問い掛けにデッドハウンドは答える。
「……嫌だって」
「なっ!……そ、そんなことはないはずだっ!いいよな?」
「……バウッ!」
「ほら!」
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