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夜。
アルアメイアには電気などなく、月明かりが二人を照らす。
「なあ……暗くない?」
「そうか?」
若干、怯えている少年とエルフ。
特に口数が多いわけではないが、その時間は確実にラティーシャの心を満たしていた。
「お化けとか出そうじゃない?」
少年は問う。
今は一人ではないにしろ、森の中で暗闇となると電気のある生活を続けてきた少年にとっては怖いものだった。
早々に寝てしまった昨日や必死だった数日前では思考回路がまるで違う。
「お化けってなんだ?」
しかし、ラティーシャには少年の単語の意味がわからない。
怯えているように見えたのは、昼間のことがあり不安があるのかと思っていた。
「知らないの?幸せだな……でも、だからこそ教えちゃう」
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