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「――それで、そいつは言ったんだ……オレの足元見てくれよぉって……」
少年はそれから神妙な顔つきでお化けとは何かについて、その応用で怖い話を展開させていた。
だが――
「……それで?」
ラティーシャも真面目に聞いている。
「そしたらそこには――」
「バウッ!」
「また!こんの!!」
度重なる妨害が入る。
少年が話せば話すほど、デッドハウンドは嬉しそうに鳴く。
そして、放っておけば静かになったものの、少年はいちいち中断させては外に出る。
「お前!今、い、い、と、こ、ろ、な、の!!」
「バウッバウッ!」
「まったく邪魔すんなっての」
外から聞こえる声に、ラティーシャは笑みを浮かべるばかりであった。
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