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「待て、待て待て待て!!なぜそうなる!?」
抗議の声を出すラティーシャの背をぐいぐいと押す少年。
「聞いてくれるって言ったじゃん!ほら、早く、早く!」
ぐいぐいと押すのは準備しろと言いたいのか、家の中に入れようとしている。
それが嫌なのか、ラティーシャは必死に足に力を入れた。
「わ、私はこの村にいなくてはならないんだ!!」
ラティーシャの必死な声に少年の押す力が弱まる。
「理由は?」
そして、押す力がなくなった時、彼女は少しため息をはくと少年に振り返った。
「聞きたくないんじゃないのか?」
それを少年に聞く意味は、あれほど嫌がっていた家族の話をしなければならない。
そういう意味があった。
「納得できたら諦めるよ」
しかし、予想に反して少年の答えは、聞く、であった。
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