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光に近づくと、少年は暗闇の中から、隠れるようにその光を眺めていた。
そして、光の傍らに切り株を下敷きにして座る女性。
(コスプレか……?森の中で?…………プッ!森の中でコスプレ!初めて見たんですけど!夜に森の中でコスプレする人!!)
少年は自分の言葉で、自分を笑わせていた。
少年がコスプレと思うのは無理もない。
焚火に映える赤の髪色に、さらさらと熱気に揺れる長い髪。
ここまでは少年の知る世界にごまんといただろう。
しかし、ここからが少年がコスプレと勘違いする理由。
横に長い耳と、焚火の光によって輝く銀の鎧と白銀の剣。
少年が眺めていると、いきなり女性剣士の姿が消え、自身の首に冷たい感覚が走る。
「貴様!人間か!!」
それがこの女性との出会い。
未知の世界を知るきっかけになる。
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