④ある晴れた昼下がり

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ある晴れた日…グレースはフルートを演奏していた。近くにはテディベアの妖精二匹が座っている。 エンジェル 『はふー…さすがグレース様…素晴らしい演奏ですぅ』(うっとりしたように) 小悪魔 『まぁこれだけはこの坊ちゃんのいいところだろうな』 グレース 『…お前ら勝手に俺の部屋に入って来るな』(嫌そうに) エンジェル 『だって本体はここだもん♪』 小悪魔 『そーそー。ケチケチするな』 グレース 『…はぁ…つまんねー』 グレースは座り込んでぼんやりしている。 小悪魔 『なんだよ?人生振り返ってるのか?』 グレース 『半分あってて半分あってない』 小悪魔 『なんだそりゃ』(呆れたように) グレース 『…最近母さん来ないから暇でさ…』 小悪魔 『…マザコン』(ボソッと) エンジェル 『まーざーこーんー!!』 グレース 『うるせぇ!』(怒鳴る) 小悪魔 『怒るなよ…で、何でマザコンオーラ出してるんだよ?とうとう恋しくなったか?』 エンジェル 『ママに会いたいのぉ?』 グレース 『…俺のこと分かってくれて俺を大事にしてくれてるのは母さんだけだから。母さんだけが俺の味方なんだ』(ボソッと) 小悪魔 『何言ってんだよ?他の奴等だってお前のこと大事に思ってるよ』 エンジェル 『そういえば…皆とはどんな出会いだったの?』 グレース 『あ?…あぁ…確か…』 グレースの昔話は始まる。
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