第一章

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  海斗が学園に通うことになったのは翌日の月曜ではなく、その翌週の月曜。 色々と準備するものがあったり、帝として急ぎの書類や任務を片付ける為に少々時間をもらったのだった。 もちろん、表向きにはただの学園に通う為の準備や、寮へと移るための準備が欲しい、ということになっていたが。 そして海斗が学園に通うこととなるその日、学園ではどこから情報を入手したのか、編入生が来るという噂で生徒達は盛り上がっていた。 どの学年なのか、どのクラスなのか。 女なのか、男なのか。 様々な憶測と希望が飛び交う。 その噂の編入生こと海斗は、どうやったのか、生徒達に見つかることなく職員室へとやって来ていた。 その耳には先週まではなかった、スターサファイアのピアスが付けられている。 フィゾルが入学祝として海斗にプレゼントしたものだ。 丁寧にノックをしてから、扉を開ける。 「失礼致します」 現在時刻は八時二十五分。 もうじき朝のホームルームが始まるという頃にやってきた生徒に、先生達の視線が集まった。 「どうかしたのか?」 人の良さそうな教師が海斗に問う。 その問いに、海斗は人当たりの良い微笑みを浮かべて答えた。 「本日よりこちらに編入させていただく、氷月海斗と申します。私のクラスを御教えいただけないでしょうか?」 「あぁ、君が噂の編入生君か。丁度もうじきホームルームがはじまるから、担任の先生と一緒に行くと良い。……ガゼル先生!!」 職員室の奥の方を向いて、教師が一人の教師を呼ぶ。 割り振られたデスクから立ち上がり、こちらへとやってきたのは編入試験を受けた時に監督役を務めていた教師。 「何ですか……って、あぁ。そういや今日からだったか……」 用件を聞こうとしたガゼルと呼ばれた教師は、海斗の姿を見て用件が分かったらしい。 自分を呼んだ教師ではなく、海斗の方へと体を向けた。 海斗も長身の部類に入るが、この教師はその海斗よりも数センチ高い。 「お前の担任になるガゼルだ。処理すんのが面倒ぇから、面倒事はあんまし起こすなよ」 自分本位なガゼルの言葉だが、海斗自身もあまり面倒事には巻き込まれたくない。 むしろ、巻き込まれたいと思う者は極少数だろう。 海斗は大人しく、ガゼルの言葉に頷いておいた。  
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