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「天野君は約束の時間から必ず15~20分遅れてくる悪癖がある。
それ以降ではいつ天野君が降りてくるかわからないので、犯行に及ぶなら沙保さんが出てすぐでないと見つかるリスクを背負う事になる」
天野は恥ずかしいのか顔を紅潮させ、猪狩は少しほっとした顔をしていた。
「しかし、庭に出てすぐだと二階バルコニーでタバコを吸っていた白石さんの目に止まる。
後で皆さんにも見てもらいますが、バルコニーからも夜だとヤマザクラより向こうは見えません。でもこちら側は見えるんですね。
白石さんが部屋に戻ったのが15分くらいなので、少なくとも猪狩君が天野君の部屋のドアをノックする30分までの間は殺害するチャンスがない」
松山はそこで息をついて手帳を開けた。
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