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本人にも自覚がないので、周りの人間は彼を正す事を諦めていた。
そんな天野が「まかせて」と言ったので他の幹部はますます不安になっていた。
天野の心情を訳すと「無理だよ。誰かやってよ」になるのだ。
会長である南谷一徹は、あまりにひどい事になっても困るので、会計部長である白石亜紀子にフォローを頼んだ。
その役職上、予算が必要なので会計部長は口を挟みやすい。
亜紀子は予算を天野に提示して、段取りの組み方と予定表を渡した。
「ば、抜群に景色がいいペンションがあるんだ」
宿舎には思い当たる節があったのか自信あり気に天野が呟いた。
その一言で亜紀子の不安がさらに高まった。
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