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「刑事の仕事は裏付けを取るのが仕事なんだ。誰でも何でも裏付けがない限り、信じてはならないんだよ」
今一つ納得に至っていない猪狩を無視して松山は庭に面したガラス窓の方に立った。
「沙保さんの生存を最後に確認できたのは12時過ぎです。猪狩君と広間で会った後に白石さんがバルコニーから見ています」
松山はまるで演説をしているかのように座っている一同に聞かせた。
異論ないように猪狩と亜紀子が頷く。
「もしここで、猪狩君が沙保さんを殺害しようと思っていたならこの機を逃せない。なぜなら沙保さんは天野君と約束していたから」
天野は不思議そうに首を傾げた。
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