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女は息絶えて居た。
俺は、初めて人を殺めたんだ。
これからは、慣れて行かなきゃならない…。
『おい!何泣いてんだよ。ばぁ~か。離れるぞ。』
もう一人の隊員がタバコを消しながら言った。
移動しながら俺は話始めた。
『…人を殺したんだ。お前だって初めてだろ?』
『あぁ~ようやくこの殺人部隊に入れたからな~♪』
男は楽しそうに語った。
『殺人部隊!どういう意味だ!』
『ばぁ~か。人殺して捕まらねぇ~。ってか、人に感謝されて~金になる。最高じゃねぇか。』
男は呆れたように言い、更に語りだした。
『俺はな~元刑事だ!
まぁなんでも良かったんだがなぁ~犯人は勝手に殺せねぇからなぁ~。
まぁ著しい抵抗と逃亡防止に半殺しが限界な上、やり過ぎると、始末書書かされたりでな~やりにくかった。
そこにこの部隊設立!最高だね!
お前は~違うようだな~?』
『!!
当たり前だ!
俺は…俺は、妹が苦しまなくて良いように…自由に外で遊べる世界にする為に…』
『偽善だな』
男は俺の言葉を遮るように言った。
『妹の為に他人は殺しますって事じゃねぇか?』
『…!ッ…』
俺は言葉が…出なかった。
男の言った事は、悔しいが間違っていないからだ。
しかし、それでも俺は納得いかなかった。
『お前みたなヤツがなんで隊員に選ばれたんだ…』
『俺みたいなヤツだから選ばれたんだよ!』
『!!
どうい…』
『いいか?お前みたいな良い子ちゃんばかり選んだらどうなる?
さっき俺が来なかったらどうだった?
殺れてねぇよな~未成年どうこう言ってんだから。
喫煙者は見つけ次第射殺!
お前何話してんだ?
つまりサクッと殺せる人間も必要なんだよ!
何の為の爆弾だよ。』
俺は呆然としていた。
『おい、本部に連絡すっから!名前は?』
『あぁ…神埼【かんざき】…誠だ』
『神埼ね~。俺は清水毅【たけし】だ。お前みたいのは~いけ好かねぇが、まぁよろしくな~』
『あぁ~こちら清水二等。2名発見し1名を神埼二等が……私が……』
清水は衛星電話で連絡を始めた。
俺はショックだった。
妹の未来の為、多く人の為に必要悪として入隊を決めたのに…
同志として肩を並べ、同じ罪の意識を持つと思った同期は悪だった。
俺が必要悪なら…清水は…彼は必然悪と言うべきだろうか…。
その後、俺はどうやって部屋に帰ったか覚えいない…。
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