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「くっそ!誰だよっ!?」
と叫んで後ろを向いた。
「あれれれれええぇ~~~。」
(マジでヤバいな……。
よりによってコイツらの前に飛び出してしまうとは……。)
その振り向いた視線の先には、笑顔だが間違いなく怒りのオーラを纏(まと)っている女子が仁王立ちでいた。
その、オーラを纏っている女子横での袖を掴んでいる女子も一緒に視界に入った。
仁王立ちの女子が話し掛けてきた。
「おいコラ♪……誰様の前に、サイドステップで飛び出して、靴を踏んだと思ってんの?」
背筋に冷たい一筋の汗が流れる。
(ん!?この汗は何だ?
そうか!暑さのせいでかいた汗なんだな!)
「もしもしぃ~~?」
(やっぱ違うな。冷や汗だな……。)
俺は無理矢理、笑顔をつくり棒読みで話し掛けた。
「もちろん聞いていますよ。
天下の明日香(あすか)様のお声はちゃんと、右耳から左耳に流れていっておりますよぉ~。」
「それ抜けてんじゃないのかなぁ?
存在消すよっ♪」
すると明日香の横にいた小さい女の子が、明日香の袖を引っ張って言った。
「明日香ぁ。……さすがに……涼の……存在消したら……駄目ぇ。」
「うん♪瑞希(みずき)が言うならやめるねぇ♪
命拾いしたわね。まぁどうせ毎度の事だけど、祐司にちょっかいかけて逃げたんでしょ?」
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