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『ごめん……もう別れよう』
久しぶりのデートで浮かれ気分のあたしを
目の前の彼氏はどん底へ突き落とした
『え?…何で?』
最後になるであろうデートの場所は
何故かファミレスだった
休日だからお客が多い
やたらガヤガヤしているお店の中で
あたしはおもわず食べかけのパフェをこぼした
『あ……』
〔最後の一個のイチゴだったのに…〕
『理由は……』
彼はそんなあたしからワザと視線を逸らすようにして口を開いた
『……。』
あたしはイチゴを拾って
お皿に置く
理由なんて聞きたくないのに
おもわず『なんで?』なんて言ってしまったことに後悔した
それと同時に
なかなか先を話さない彼にイラつきを感じはじめた
『…ないの?』
いい加減しびれを切らしてそう彼に言う
『…あぁ……』
おぅ……
やけに素直に
そしてスグに返事がきたことに驚いた
まぁ…
別れることに理由なんていらないんだけど
理由を聞いたところで
それが撤回される訳じゃないんだし
『そっか…』
ため息混じりにあたしはそう返事をした
大好きなパフェが大嫌いになりそうだった
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